ダイエットをするとき「運動」を取り入れることで、体重を落としていくというのが一般的です。
しかし、運動を続けていても、なかなか効果が出ず「全然痩せない…。」と感じたことはないでしょうか。
その原因は、今まで常識に考えられていた「エネルギー消費に関する知識体系」が根本的に間違っていたからなんです。
本書では、代謝に関する最新科学によって解明された「運動による消費カロリーの限界」と「余ったカロリーが炎症を引き起こすメカニズム」が解説されています。
「運動を行なっても、消費カロリーは増えない」という事実とともに、運動不足による健康被害のリスクについて、今までの常識を覆す内容を根拠をもとに紹介されているので、
- ダイエットを頑張っている方
- 運動をしている方
- 健康意識が高い方
には、役立つ情報が満載なので、実際に手にとってみてはいかがでしょうか。
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運動しても1日の総消費カロリーは増えない
運動することで消費するカロリーは多くなりますが、その分、他の活動を減らしてしまうことがあるということをご存知でしょうか。
その結果、1日の総消費カロリーは期待したほど増えないということになります
そのため、運動をする際には、過剰な期待を抱かず、身体の状態に合わせた運動を行うことが大切です。
また、運動だけでなく、エレベーターを使わずに階段を使ったり、歩く距離を増やすといったように、日常生活の中で総消費カロリーを少しでも増やす意識作りが大切です。
運動しても総消費カロリーが増えない理由
運動をしても、総消費カロリーが増えない理由として、下記が挙げられます。
- 運動の種類や強度によって消費するカロリー量が異なるため、運動の種類や強度が合わないと総消費カロリーが増えない。
- 運動によって筋肉がつくと、筋肉自体がエネルギーを消費するため、総消費カロリーが増える傾向がある。
- 筋肉の量が増えるには時間がかかるため、短期的には総消費カロリーが増えない。
現代人の消費カロリー
現代人は、インフラ設備や技術の発達により、以前に比べて身体活動量が減少しているため、日常生活での消費カロリーは減っています。
また、食生活の変化によって、高カロリーな食品を摂取する機会が増えたため、必要以上のカロリーを摂取しています。
そのため、現代人は摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回る生活を日々送っています。
人類は脂肪を蓄えるよう進化した
私たちの体は、飢餓や病気に対する抵抗力を高めるために、脂肪を蓄えるように進化しました。
また、約200万年前の人類は、狩猟採集によって不安定な食物環境下で生活していたので、食糧が不足すると体脂肪が重要なエネルギー源でした。
余ったカロリーが炎症を引き起こす
当たり前ですが、食べ物を摂取することで体内にはエネルギーとして使われるカロリーが供給されます。
過剰摂取により余ったカロリーは、脂肪として蓄積されると長年考えられてきました。
「使われなかった燃料は脂肪として蓄えられる」はデタラメ
一般的に、多くの人が「使われなかった燃料は脂肪として蓄えられる」と考えていますが、これは実際にはデタラメだと著者は提唱しています。
この理由として「人体は燃料を燃やして動く単純な機械とは違い、進化の産物だからだ」と著者は述べています。
狩猟採集時代と違い、いつでも安全に消費カロリー以上のカロリーを摂取できる現代では、余ったカロリーを不必要な炎症やストレス反応に振り分けることによって、体内のカロリーバランスを保とうとしているのかも知れません。
運動不足が引き起こす炎症のリスク
余ったカロリーで炎症を引き起こし、さらに運動不足によっても炎症のリスクが高まります。
炎症は慢性疾患のリスクを高め、心臓病、糖尿病、関節炎、うつ病などの発症リスクを増加させてしまいます。
特に、腹部の脂肪が増えると、内臓脂肪が炎症を引き起こすため、心臓病や糖尿病のリスクが高くなります。
運動が必要な理由
過剰に摂取しすぎたカロリーを炎症に回さないためにも、やはり運動は必要なんです。
運動をすることで、不必要な炎症を回避するだけでなく、ストレス解消や美容効果、健康的なライフスタイルの維持にもつながります。
運動はムダな炎症を抑え、健康を維持できる
運動による免疫系の活性化や抗酸化作用によって、心臓病、糖尿病、関節炎などの炎症の抑制となります。
特に、有酸素運動は炎症を抑制する効果が高いので、健康を維持するために習慣にするのがおすすめです。
運動によるカロリー消費以外の効果
運動はカロリー消費以外にも、
- 生活習慣病の予防
- 血流の促進
- 筋肉の強化
- ストレス解消
- 美肌
- やる気の向上
- 抗うつ
といった効果を得ることができます。
運動を定期的に行うことで、身体面だけでなく、精神面での健康維持にも非常に有効です。
『運動しても痩せないのはなぜか』を読んだ感想
本書は「痩せるためには運動が必要」という常識が覆された驚愕の一冊でした。
ましてや、余ったカロリーによって炎症が引き起こされているなんて、想像もしていなかったので、人体の構造や進化論は、やはり面白いなーと思いました。
書店でタイトル買いをした本書ですが、体重や体型のことだけではなく「健康」という意味でも、改めて運動の大切さ、必要性を再認識できることができ、手にとって良かったと感じました。
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