【要約・感想】欲望の錬金術-伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング

【要約・感想】欲望の錬金術-伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング本要約・書評
【要約・感想】欲望の錬金術-伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング
この記事は約11分で読めます。

あなたは、自身の話の筋道が論理的でなかったり、論理が破綻している、理にかなった理由がないと薄々感じていても、物事を押し通してしまうことはありませんか?

実は、人が非論理的な行動をとる理由には、様々な心理学的要因が存在しているからなんです。

本書の著書であるローリー・サザーランドは、伝説の広告人(マーケター)として得た経験から、人の欲望や行動をかき立てるのは、ロジックではなく「非効率」や「無駄」といった不合理によるものだと述べています。

つまり、ヒット商品を生むためには、ロジックのみでは難しく、心理学や行動学を応用した錬金術(マジック)が必要なんです。

本書では、広告やマーケティングの鍵となる、

  • 心理(サイコ)ロジック
  • コストリー・シグナリング
  • 焦点錯覚(フォーカシング・イリュージョン)
  • アフォーダンス
  • 自己プラシーボ
  • 心理物理学

などの、重要な概念が詳しく解説されており、マーケティングに携わる方にはおすすめの一冊です。

本書を読むことで、人間の非論理的な行動の理由を理解できるだけでなく、ロジカル思考力を高め、自己啓発にもつながるため、ぜひ、実際に手に取って、自分自身の思考の幅を広げてはいかがでしょうか。

kindle unlimitedというサービスを使うと月額980円で200万冊以上が読み放題で、コスパよく読書が楽しめます。
初月は無料でいつでも解約可能なので、ぜひ試してみてください。
kindle unlimitedの公式ページはこちら

もし、文章が苦手であれば、初月無料の聴き放題サービスのAudibleがおすすめです。
Audibleの公式ページはこちら

この記事の内容は、YouTubeでもご覧いただけます。

スポンサーリンク

ロジックは合理的だが差別化が難しい

ロジック(倫理)は、極めて合理的な判断基準であり「ある事象があれば、それに対する一つの正解が存在する」という前提に基づいています。

そのため、同じような事象に対しては、同じような答えが出る傾向があります。

しかし、その一方で、マーケティングにおいては「差別化」が非常に難しいという問題があります。

ロジックに基づく判断は「信頼性」が高くなる

ロジックに基づく判断は、常に正しい答えを導き出すため、信頼性が非常に高いと言えます。

そのため、ビジネスや経済などの分野で広く使われているのですが、ロジックだけではヒット商品を生み出すことはできません。

ロジックでは差別化が難しい

ロジックに基づいた判断の大きな問題は、差別化が非常に難しいという点にあります。

例えば、同じ製品を提供する企業が複数ある場合、ロジカルな戦略だけでは、企業同士での差別化が非常に難しく、抜きん出ることはできません。

つまり、自社の強みやウリがなく、消費者からすると「どれも同じ」となってしまいます。

ロジックを超えた非合理的な解決策

差別化を図るには、ロジックを超えた解決策が時には必要となります。

市場での差別化が必要な場合、感情的な決断や直感に基づく決定といった、ロジックを超えた発想が結果を左右します。

しかし、感情的・直感といった非合理的な解決策は、常にリスクを伴うため、慎重な判断が必要です。

スポンサーリンク

なぜ人間は「非論理的な行動」を取ってしまうのか?

人間は、合理的な判断をする能力があると同時に、非論理的な行動を取ってしまうこともあります。

その理由として、

  • シグナリング
  • 潜在意識のハッキング
  • 満足化
  • 心理物理学

などがあります。

それぞれ、どういったことなのかを具体的に説明していきます。

シグナリング

シグナリングとは、他人に自分の状況や意図を示す行動のことです。

例えば、高級車に乗っている人がいた場合、それだけでその人の経済的な状況が分かるようになっています。

シグナリングは、社会的地位や威信などを高めるために使われることがあるため、非論理的な行動を取ることもあると言えます。

潜在意識のハッキング

潜在意識とは、人間が自覚していない思考や感情のことです。

例えば、広告やマーケティングで使われる心理的トリックは、潜在意識のハッキングによって行われていて、人間の行動を操作する力を持っています。

潜在意識のハッキングにより、自身の意志による決定と認識してしまうため、結果的に非論理的な行動であると言えます。

満足化

満足化とは、自分が正しいと思い込んでいることに対して、自分に都合の良い情報を選んで認知することです。

これは、認知バイアスの一種で「自分の思い込みによる非論理的」な行動と言えます。

心理物理学

心理物理学とは、物理的刺激と感覚や知覚の関係を研究する学問です。

心理物理学の研究により、人間の感覚は物理的な刺激に比例しないことが分かっています。

例えば「同じ音量の音でも、音楽と騒音では感じ方が異なる」といった感じです。

感覚や知覚による違いの問題なので、これも非論理的な行動と言えます。

スポンサーリンク

わざと手間をかけさせることで行動を促すことができる

マーケティングやセールスなどの分野でよく用いられる戦略に「手間がかかっていると思い込ませることで、人は行動しやすくなる」というものがあります。

消費者は「手間がかかる」と感じると、製品やサービスの価値を高く認識する傾向があり、購買意欲が刺激されるんです。

例えば、オンラインショッピングサイトでの購入手続きをわざと複雑にしたり、クーポンの使用条件を厳しく設定したりするのは、顧客に手間を感じさせることで、購買意欲を高めることが目的なんです。

人はなぜか、手間がかかると感じると、その手間を省くために率先して行動してしまうんです。

スポンサーリンク

ロジカル思考を手放す「無意識の動機」

ロジカル思考は、合理的かつ論理的な考え方ですが、このロジカル思考を手放すことで、より良い結果をもたらすことがあります。

それが「無意識の動機」と呼ばれるものです。

無意識の動機とは、意識に上らない深層心理の動機であり、人の行動に大きな影響を与えます。

例えば、ある商品を購入する決断をする際、ロジカル思考だけでなく、その商品に対する自分の感情や直感も大きな役割を果たしているんです。

無意識の動機を理解し、それに合わせた戦略を立てることで、より効果的なマーケティングやセールスが可能になります。

ロジカル思考は大切ですが、時には直感や感情を優先することも必要で、無意識の動機を利用することで、より効果的なコミュニケーションや行動をとることができます。

スポンサーリンク

『欲望の錬金術』を読んだ感想

本書は、人間の心理という観点からビジネス(特にマーケティング)に役立つ情報で非常に興味深い内容でした。

また、読みやすく文章構成や、分かりやすい解説が多かったので、読みやすく感じました。

私も、ロジカル思考にとらわれすぎてしまうことがあるので「ロジカル思考を手放すことで無意識の動機にアクセスする」というアイデアは、とても参考になりました。

また、手間がかかっていると思い込ませることで人を動かしやすくする方法や、潜在意識のハッキングなどは、非常に実践的で、すぐに活用できそうです。

kindle unlimitedというサービスを使うと月額980円で200万冊以上が読み放題で、コスパよく読書が楽しめます。
初月は無料でいつでも解約可能なので、ぜひ試してみてください。
kindle unlimitedの公式ページはこちら

もし、文章が苦手であれば、初月無料の聴き放題サービスのAudibleがおすすめです。
Audibleの公式ページはこちら

本要約・書評
スポンサーリンク
スポンサーリンク
ちゅんちゃんクルーズ

コメント